YZF-R25と九州〜東京ツーリング 猫のいる街 広島県尾道市 〜 兵庫県路上
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下宿に帰宅してから夜中、近所を徘徊したが、山道、街灯の少ない道は制限速度以下で走る癖がついている。前方か後方に車両がいればそんなことは無いのだが、自分の乗り方の変化を不思議に思う午前3時。
2日目です。
こちらが1日目
with-motorcyclelilik.hatenablog.com
広島県
道の駅 たけはら 出発
寝れん。1時間くらい気を失っていただけ。冷房が強すぎたようだ。AM:5:30。日が昇って外が明るいのと、先客のおっちゃんがもぞもぞし始めたので起き上がることにした。現在地の確認をしよう。
あー、道の駅に併設された黒い何かは神社だったのか。ベンチもある。室内は寒かったからここで寝れば良かった。道の駅の目の前は川のようだったが、干上がってない? そんなに雨降ってないのかな。お腹すいてきたけど、周りに何もないな。今日の目的地へ進みながらお店を探そう。
道中が眩しいんだこれが。
東に向かっているからそりゃ当然。バカボンの世界とは違う。綺麗な写真。尾道へ向かう。
尾道市
どの道を通ったのか忘れたが、尾道へ到着。すき家 184号尾道店。24時間営業は助かるがやはりワンオペ。適当に注文しそそくさと退散。
何が気に食わなかったのか、完食後の丼を真っ直ぐに戻してわざわざ撮影してる。店を出て地図を確認し、とりあえず海沿い向かおうとする。
トンネルの先は〜
どこだここ。
なんでもいいや。バイクをパシャり。
千光寺周辺
海行くより先に小山?に向かおうと思い、細い道を抜けて来たが、駐車場らしきものが見当たらずここにきてしまったようだ。二股の道を左折だったらしいのでUターン。駐車場を見つける。バイク専用もある。300円ほど必要となるらしいが管理室?みたいなところには朝早過ぎて人が居なかったが、バイクはここに停める。後から払えばええでしょ。
ここだね。明らかに観光地だけど、朝一は人っ子ひとりいない。快晴の尾道を上から攻めることに。歩くぞ。猫はどこだ。
頂上の展望台を目指していると美術館前で第1尾道市民発見。イッヌだ。雑種だな。マルチーズが入ってるっぽいがどうだろう。それは置いといて、飼い主さんに何かこの辺りに面白いモノはないか尋ね、イッヌと別れることに。
どこだここ。
西展望台へ
西展望台の方へ向かおうとすると野良犬が素通り。久しぶりに見た。よくわからないツインモニュメントを通り過ぎ、少し下ると展望台らしきものを見つけた。
関係者以外立ち入り禁止の看板を通り過ぎ、先の展望台へ。
城だ。青空凄く綺麗。城のしゃちほこの、片割れはどうした、食われでもしたのかと思っていた辺り既にお腹が空いてきている模様。これ以上先へ進むと海沿いに出てしまうので戻ることにする。
文学に関連している街のよう。松江市と尾道市は姉妹都市らしい。へー。姉妹都市って海外と日本の間だけの話かと思い込んでいた。と、思っているとキタ!ネコチャ-ン!
コイツは一定距離を保つタイプのネコと判断したので気づいてないフリをしながらネコチャ-ン前方の段に座り込む。内カメラで逃げていないことを確認し一枚頂く。ついでに休憩。眠たいのに歩き過ぎだ。流石にフラフラだ。深呼吸して立ち上がり、背後の黒猫に挨拶して去ろうと思い振り返るが、姿が見えない。やるな。少し道を戻るって高いところに行こう。
よくわからない噴水っぽい何かを通り過ぎ、坂を登る。道中、歌を募集してたので2秒で思いついたことを書いた。
何やってんだ。
恋人の聖地、展望台、他、
人が居なくてがらんどうな展望台へ着いた。屋根付きベンチに自販機、ビラを貼ってある休憩所。いいね。素敵。
恋人の聖地。お腹がぐぅと泣いた。ツレェ。唇を歪ませながら妙なものを両脇に発見する。やたら眩しい。よくみるとハートを模った金色の錠前のようだ。眩しい。お値段1080円。はは、1080円で永遠の愛を形で残すとでも言うのだろうか。まぁ別に知ったこっちゃないが、どうせならタダで配るってのもアリではないかとも思うのだが。タダより高いモノは無いなんて言うのはどうだろう。無粋か。この錠前のデザイン、俗っぽさが過ぎる気がしたので調べてみると、なるほど假屋崎省吾氏プロデュースのようだった。面白いことを考えるなぁ。錠前と愛鍵ってことかしら。
愛の眩しさに足取りは更に重たくなったが、目の前の展望デッキへ登る。
雰囲気いいなぁ。ぐるっと螺旋階段を登り、これは...すげぇな。
左側に見える橋はしまなみ海道の橋か。本州側の橋の向こうの方へ海沿いを走るとポニョの聖地 鞆の浦(読み:とものうら)。そのうち行く。ともかく空が綺麗だ。街をそっと見下ろす。AM 7:55。秋晴れ気味の知らない土地で深呼吸。音楽でも聴こう。深く息吸って、耳塞いで唾吐いて。デッキを降り、写真を数枚撮って来た道を戻る。
道を戻っていると人とすれ違うようになって来た。お店に暖簾がかかっている。皆さんようやくお目覚めの様子。
バイクを停めた所で行き先を考えようと停めた所は着くと、YZF-R3が真横に停まっていた。そういえばライダーっぽい人とさっきすれ違ったな。近畿あたりのナンバーだった。目の前の管理事務所に人がいる。駐車代を払おう。100円だった。安い。すると事務所の兄ちゃん、「北九州から来たんか。はぇ〜やるなぁ」と。
その兄ちゃん曰く、
「尾道観光するならここ、「千光寺」に単車も四輪も置いて歩いた方がいい。麓のパーキングは時間ごとに金がかかるがここなら定額で一日放置しても大丈夫。単車なら1日置いといても100円よ。」
これは有り難い情報だ。単車の盗難を考える必要が無いのは非常に助かる。
「探索が尾道の歩き方」
違えねえ。
「昔は北九州の折尾に住んでいた。折尾の駅は汚ねえ」
んなこたーないぞ。最近は。
「40年も前の話や」
だろうな。
「佐賀に近いところにいるのか。佐賀はすごいぞー」
田んぼしか見たことないわー。
「福岡とか砂地やん」
はぁ。
「佐賀はほらあのー明治とかのーそう!大隈さんよ」
あら?長崎じゃなかった?............これは失礼、佐賀の人なんですね。
「やろ?」ドヤ
悪りぃ悪りぃ。
「佐賀県は明治に活躍した人が多いところよ」
詳しいな兄ちゃん。
と時候の話題から昔話まであらかた話を楽しみ、尾道の歩き方を聴く。どうやらネコノテパン工房は夏休みの間はお休みらしい。あまり詳しく言わないが、今は忙しいとのこと。地元民はみんな知っているようで、尾道の人は同じことをみんな言っていた。愛されている店だな。ローカルネタに触れることが出来たのも嬉しい。だがそこ私行きたかったところ...。
尾道城へ
駐車場を離れ再び西展望台へ。その脇を抜けて進む。
住宅なのに人の気配が無いのは朝だから?空き家っぽいのだが。左曲がりの道の先に雑貨屋っぽいお店、と思ったらこれホテルなのか?帰宅して写真眺めるまでずっと雑貨屋と思っていた。その雑貨屋の目の前にはお城。尾道城?聞いたことないと思って調べた。昭和に建てられた博物館で実際に存在した城のレプリカだそう。今は廃墟らしく入り口はコンクリで塞がれていた。よく見ると城には窓ガラス貼ってある。
以下、Wikipediaから引用
市内には戦国期の城跡はあるが、隣りの福山市の福山城天守(戦災で焼失、昭和41年復元)の影響を受け、昭和39年(1964年)に尾道商工会が観光事業の一環として外観の一部を弘前城天守に模した施設「全国城の博物館尾道城」として建設した。建築は鉄筋コンクリートの三層三階、望楼型の体裁を取っている。尾道駅の北側の丘陵上に立地し、目立つこともあり尾道市のシンボル的な存在になったが、歴史的な背景が全くないためにむしろ景観を汚すものであるという意見もあり、建築当初から厳しい論争にさらされた。
はーん。で、壊すに壊せなくなって残っていると。なるほど確かに海側から山を見るとどこからでもこの尾道城が視界に入ってしまい景観を損ねている。ま、いち観光者の私からすればそんなのも面白いと思うが。妙な価値が産まれちゃってどうしようもないんだろうか。レプリカとは言えコンクリ製。ヒビが見えるわけだ。
坂を下る。足場は悪いから夜は通りたくない。
下る。
下る。
ニョ-ンはどこ?
下るのは途中で諦め、千光寺管理事務所の兄ちゃんに「持光寺に行って地蔵作ってこい」と言われたのでそこに向かうため地図を広げる。
持光寺
持光寺。道は狭いし寺多いし階段ばかりで堪える。持光寺内左手に地蔵さんが陳列しておられた。このクソ暑い、雲一つない群青の下で日サロか。この気候で黒いニット帽被った強者だから気持ちはわかる。彼らの椀が空っぽだったのでカバンから先日、セブンで買った歯磨きに使った2Lの水を全員に注ぐ。あ、俺の分が無い。適当に手を合わせて旅の安全を祈ってくれやと頼んだ。その陳列地蔵の左側に道を挟んでこっちを見ている地蔵もいたけど、すまない。もう水は空っぽ。彼にも安全を祈ってくれと頼んで手を合わせた。
少し先に進むとにぎり佛創作工房っぽい場所を見つける。なるほどここか。作って焼いてお届けするってシステム。制作費+送料で2000弱だったはず。そんな大金は口に入れるものに使いたいので写真だけ撮ってバイなら。さて、降りるか。
海沿い、沿線、他、
階段を降りた先に踏切。激エモじゃん。道路の車通りは少ないが、久々に走っている4輪を見た気がした。単車の上ばかりから見てたからかな。
道路を渡り商店街へ。女子中学生が部活の道具担いでチャリを漕いでいた。夏だなー。途中、商店街を抜け、海に近い車道へ。車通りはやはり少ない。開店している海産品店の前を通る。目を引くものを発見し思わず立ち止まる。
蟹。手がのびかけたが、これで腹を満たすのは気持ち悪くなりそうなのと、黒ニット深めに被った男が、これを片手に抱えて貪る絵面は酷い気がしたからだ。そこでお土産にどうだろうかと思ったが、チキンなのでもうすこし見た目の良いものを別の観光地で探すことにした。面白いな尾道。おや...?
この先はまさか?
海だ。海。尾道水道だったり、尾道海峡と呼ばれたりする海。先日、どっかの誰かが渡って広島市内で捕まってたけど、波は穏やか、距離も大したことない、これは泳げるな。被写体になりそうな原付を見つけたので一枚。
商店街へ戻り電車通り沿いへ。
バス停に線路にチャリに原付に高架に踏切だと?美しい....。高架の上に停めてある二輪の持ち主はどこへ行ったのだろう。疲れたな。
光明寺
光明寺。写真から見える階段に座り込んで20分くらいぼぅっとしていた。ダメだ。膝がガクガクだ。階段に座り込みっぱなしというのも良くないと思い、すこし登ってベンチを見つけ....ん???
ニョ---------ン!!!!!
お前をずっと探していたんだよ。一瞥くれてあとは景色を眺める猫。近づいても逃げはしない。かわいい。折角だから荷物を猫に任せ、その先の階段を登る。
ここはこれだけか。戻ろう。
ベンチに猫足で近づき猫に逃走されないように細心の注意を払う。着席。猫をチラリ。あれ?近づいてくる?
お前、触らせてくれるのか。いいのか?本当に。だが何故背後に回るのだ。私がゴルゴなら風穴空いてるぞ。やっとだ。やっとネコチャ-ンに会えた。
猫と時間を過ごす。良いものだ。猫の子1匹いないと思った矢先にこれは本当に救われた気になり元気になる。まだまだ歩くよ。
ベンチを去る前に一枚。
荷物を抱えてもう一枚。隙だらけだぜ猫ちゃん。
猫とサヨナラし、ベンチの左側に細い道があったので進むとまた階段。
迷子になる
踊り場のような交差点をぐるりと見渡すと猫発見。
お前も向かってくるのか。階段にまた座り込み向かってくるのを待つ。撫で回させて頂けるのは有り難いが、やたらお尻をこちらに向けて鳴く猫だな。理由は考えないことにした。先は進もう。来た方の階段から真っ直ぐに進む。
迷子だ。笑える。
この時の目的地は『猫の細道』というところ。地図なんて要らないとふざけていたらこのザマ。坂を登ると行き止まりだったので引返す。青空が少し憎く思えた。溝にマーキングしてやった。
さて、東側に抜ける道を探す。Googleマップ片手に探すが見つからない。疑問に思ったので壁伝いに進むことに。
ブラインドコーナー。見つからないわけだよね。
また登るのか....。AM 9:40。
家の前の道をはわく姉さんに会釈し、再びベンチを見つける。休もう。
目の前に猫がいた。この天気だし暑いよね。
かわいい。
ベンチの横は綺麗に整備された階段。登るぞ。
途中で振り返ると、まぁ綺麗なこと。
三重塔。何処にでもあるな。尾道に寺院がやたら多いのは何故だ。海沿いだからかなり昔から栄えてそうだが。儲けで寺院建てたのかしら。それにしても多くないです?
三重塔を通り過ぎ坂を下る。そろそろ目的地に着きそうだ。オシャレな雰囲気になってきた。
地図....貼ってあったんだね。そんな事は知らずお店を通り過ぎ更に坂を下る。途中でこのまま下ると麓に着く気がしたのでUターンし、登ることに。
すると案の定、見つけにくい道を発見。お店の玄関かと思った。
入り口はここ。看板をよく見ると確かに書いてある。
先へ進もう。
猫の細道
撫でたら福がやってくるらしい。ナマモノにゃんこ撫でたから別にいいや。
猫に関連するものばかり。カフェスペースも素敵。ジブリとはまた違う雰囲気。何処からか猫踏んじゃったが聴こえてくる。面白いものは沢山あったが終わりが見えないので割愛。
猫の細道を下る。寂れた保育園の壁にはタイルに寄せ書きがあった。人間は愚か。
視界に妙なものが入る。見上げるとロープウェイ。
行くしかない。
下った先にロープウェイの麓駅がある。道中、亀を見つけた。私が来た時にはほぼ脱出しかけていたが、私を見て慌てたのかジタバタ踠き、スチロール箱の中に落下した。すまない。
ついた。
千光寺ロープウェイ
ロープウェイ目の前の高架の側に真っ赤なクロスカブ。かわいいので勝手に撮影。
ロープウェイ乗り場の左手も寺院らしく、もはや伺う気にもならない。片道320円、往復500円らしく、こういうのは片道だけで充分と思ったので320円支払う。切符を買い、右手のエレベーターで乗り場へ向かう。切符の半券は裏側を見ると、この半券を提示すると美術館等の割引が適用出来るとのこと。へー。ところでこのロープウェイの目的地はどこなのだろう。
地元北九州の皿倉ケーブルカー見たいだ。うろ覚えだけど。定員30名のケーブルカーに詰め込まれ汗臭いのが申し訳無いと思った。山頂にカメラを向けると、ちびっ子がどうしても映るがシャッターを切らせて貰うことに。上から山肌を見て本当にこの街は至る所に仏閣が多いと思った。どうやってあの寺院に行くのか、あの寺院には人が多いなぁと、やはり見下ろすと沢山のモノが見える。
ゴンドラが山頂に到着。知らないコンテンツのパネルがあった。ご存じないなぁ。
何でもいいがここはどこだ、とあたりを見ると、既視感がある。朝歩き回ったところだ。人が沢山だ。無事戻ってきたようだ。
千光寺管理事務所へ戻る。行きに話した兄ちゃんに、しこたま歩いたぜと報告。観光バスの兄ちゃんも交えて話しながら「東京に行く」とか「道の駅とか駐車場の白線の内側。ともかくコンクリの上」とか「鹿が食べたい」とか3人で談笑。次の目的地は温泉だ。昨日調べてあった『養老温泉』に行こう。事務所の兄ちゃんにもその場所を勧められたからね。
バスと事務所のツルツルの兄ちゃんたちに見送られ、バイクで坂を下る。なんだか久々にバイクに乗ったような気がするな。
養老温泉
184号線に乗り、54号線に入ってすぐ右手に養老温泉。およそ20分。近いね。
駐車場が見つからず取りあえずバイクで店を一周。裏手に停めた。店内に入る。おおお、すごい。寅さんの世界だ(知らん)。物色の前にまずは風呂だ風呂。
料金は500円。素早く全裸になりやっと汗を流せることに喜びを感じた。引き戸を開ける。風呂桶が真ん中に設けられ、その両側にシャワーが5〜6台ずつ備わっている。身体を洗うぞ。早く湯に浸かりたい。頭を2度、身体を3度洗い湯船に浸かろうとする。アツゥイ。ちょ、ちょっと、待って待って、めっちゃ熱いって。ラドン温泉。特別泉質が良いというわけでは無いが循環式で温度を高めにしているようだ。ゆっくり足を沈め、肩まで湯に浸かる。気持ちが良い。
湯から上がり軽くシャワーで流して脱衣所へ。臭い服達を袋に詰め、受付カウンターへ。
革張りの古い按摩椅子の前にはゲーム機があった。生で拝むのは初めて。受付に駄菓子が並び、ここでご飯の注文が出来るようだ。受付正面の引き戸の先は休憩所。受付の人に一応休んでいいか聞き、宇治金時を購入して休憩所へ。
冷房で冷えた畳の香りが良い。壁際の小さいちゃぶ台を陣取り、荷物とジャケットを放り捨て壁に寄りかかって座り込む。畜生、男はつらいよを勉強するべきだったな。ま、かき氷食べよう。
綺麗に整っているのもあるが、地元の人たちが入り浸っているようで、配膳のカミさんを兄さん達が捕まえては喧しく騒いでいて、恐らく宿泊客なのだろう、別の兄ちゃん達が飯を食べながら煩そうに並んでいるのがおかしくてたまらない。すごく居心地がいい。
私の真隣のウォーターサーバーからお茶を貰う。
画像の窓の向こうは喫煙所のようで、大きい机が3台とソファが並んでいた。行ってみる。
兄さんがテレビに近い所に座っていた。誰かが食べ終えた食器が机にあったが、仕方ないのでテレビに近いそこに座る。三人兄さんが入ってくる。テレビから遠い机を囲った。灰皿を並べ喧しく喋っている。私は澄ました顔でテレビを眺め顔がニヤつくのを押さえていた。
すると二人は休憩所に戻り、酒を煽り出した。おかしくて仕方ない。一人残った白髪の兄さんとテレビ前の兄さんが話をしだす。テレビ側の兄さんは休憩所に戻った人が苦手らしく、白髪の兄さんに愚痴っていた。挟まれた私。面白い所だなぁ。
悠長に構えていると、白髪の兄さんに話しかけられた。
「兄ちゃんごめんねー、煩かったやろ」
いやいや、全然気にならないですよ。
「!?すごいの吸いよるね」
テレビ側の兄さんも驚いた様子。
「いやー、兄ちゃんすごいな。オッサン煙草やん」
これが一番なんですよ。
こっからが長い。
今は販売されていない「あさひ」という煙草が美味いとのこと。しるか。
ゴールデンバットは知っとるか?と言われ、俺の愛煙の一つと言うと兄ちゃんおっさんやんと笑われる。違います。文豪(笑)です。
どこから来たのかと尋ねられ、北九州と答えて驚かれ、単車で来たって言って更に驚かれる。気をつけて行きやと白髪の兄さんは休憩所に戻っていった。嵐みたいな会話だったな。
残った私とテレビの兄さん。テレビの兄さんは私に先に休憩所に戻った兄さんの悪口を私に言ってきた。楽しい。滑舌悪くて何にも聞き取れねえけど。
テレビ兄さん、大阪出身で昔は単車に乗っていたらしい。バイクを盗み走り回っていたそう。昔はバレないってさ。ある日、友人とツーリングに出かけ、友人がトラックに突っ込んで亡くなり、その親にドヤされた以来乗ってないと。昔のトラックは反射板が無く、それにやられたとのこと。兄ちゃんも気をつけろって。
再び悪口に戻る。昔ここの若い子に手を出して遊んで捨ててここの人達に迷惑をかけた、要約するとこんな感じのことを言っていた。ゲラゲラ笑いながら適当に相槌。面白くて仕方ない。
なんとなく察したのだが、この人も先程の3人の人も、ヤのつく職に関係していたっぽい。それにしてはみんな丸くなり過ぎな気がしてそれがまた可笑しかった。テレビさんの「単車気をつけろよ」に「またくるぜ」と返し、「来んでいい」とはにかんで返され休憩所へ戻る。
眠い。もう一休みして出よう。身支度を整え、腰の悪そうな姉さんの為に座布団と湯呑みを運んでやり、やり残したしたことは無いとこの場を後にする。
目の前にスーパーとコインランドリー発見。しかしランドリーは使用中だったので先に腹ごしらえ。タオルだけ干しておく。スーパー内の休憩所で398円の弁当でお腹を満たす。ランドリーに服を突っ込む。200円。PM 1:30。
ランドリー使用中、うたた寝をする。PM 2:10。洗い終わったかな?「濡れても走れば乾く」と先日お会いしたライダーさんも仰っていたのでこれをこう。
先程スーパーで購入した洗濯バサミでシャツパンツ靴下を干して走ることに。飛んでったら飛んで行った時や〜と余裕をぶっこいているのはここまで。ここからがしんどかった。
岡山県
2号線
日差しにやられ、スマホが熱を持ちすぎて充電出来なくなった。不味い。七五三などのよくわからない店に駐車し、洗濯物を取り込み慌てて日陰で冷やす。電源を切り、ついでにツーリング前に捥げた携帯充電器の変換プラグを買いに2号線沿いの大型家電店へ。何故旅行前に買っておかない。店内のイートインスペースで自販機で買ったアクエリアスで挟んで冷やす。電源を付け、購入した変換プラグを使い、祈りながらスマホへ。
ブ-ッ
ぃやったぜ。
日中は温度が高く、2号線も休日で非常に混んでいたので疲労が半端無い。問題解決したこともありしばらくへたり込んでいた。
セブンイレブン倉敷堀南店
PM 5:00岡山県倉敷市に着く。2号線を出て275号線を使った。暗くなってこの状態で山道は不味いと思ったからだ。セブンイレブン倉敷堀南店の駐車場に停車し倒れこむ。腹が減って力が出ない。
飢えより疲労と睡魔。シーフードヌードルを買い、空腹の胃袋に全て流し込む。非常に気分が悪い。ヘルメットを被り、何処かで一度寝るかと思い、ハンドルに手をかける。スズキのワゴンRに乗った主婦にガン見されたのでぺこりと頭を下げると、向こうも頭を下げてくれた。フラフラしてるし明らかに浮いてるもんな。
適当に東へ走っていく。睡魔で頭が馬鹿になっていたのでどこ走っているのかはわからない。ただバッチリ写真は撮った。
いい写真なのかもしれないが、私は何処を走ってんだ。この写真が17:46の頃だ。
2号線へ入り、走る。車線は3つと広いが、日が暮れて間もない頃なのにトラックが多く、巡航速度が速い。ガソリンタンクの上にのし掛かり、身体を伏せて流れに乗る。左車線をちんたら走るのは迷惑だから。
兵庫県
セブンイレブン相生山手店に入る。倒れこむ。身体を引きずり、車輪止めに座り込んでうつらうつら。時刻21:00。途中、道の駅に着いたが、何故か微塵の休息も取らず走ったので、18時からほぼ3時間駆けてきたわけだ。元気かよ。多少健康に気を使おうと考え、ツナ大根スパサラなるものを購入。走っている間、「ふぁいとー!いっぱーつ!」が頭にチラついたのでアリナミン7を初めて飲んで見ることにした。
どこだよここ。結局40分ほど居座った。
姫路サービスエリア
10分程先へ走ると姫路サービスエリアがあったので迷わず入る。どうでもいい事だがGoogleマップのストリートビューってこんなところも見ることが出来るのすごいね。
バイクを停めると隣にえらい荷物をたくさん抱えたNinja250Rがいた。ライダーはそばでスマホを弄っていた。疲れていたので休もうと考えていたのだが、話しかけてしまった。
大阪から四国を回って帰宅途中とのこと。年齢が近いこともあり話が弾んだ。納車4ヶ月で一万キロ突破する半端ねえ人で、秋田にも行ったし東京は結構な頻度で行っているとのこと。それに見てくださいよ二台並んだバイクの写真。僕より大きなシートバッグにサイドバッグまでつけてツナギまでしっかり着てらっしゃるのよ。ここで私は舐めプしていると気がついた。ライダーブーツ?そんな金は無い。安全靴で十分だ。
姫路サービスエリアに1時間も入り浸り、ようやく出発することに。Ninjaの人も同じ方向なのでいっしょに出ることになった。最初は彼が先に行ってしまったので手を振って別れたが、アリナミン7が効いてきたのか、アクセルを捻って一番右の車線を爆走し始める私。彼を抜かし颯爽と親指を立て更に加速。
明石サービスエリア
調子に乗って第二神明道路(有料道路)に入ってしまった\(^q^)/ナンテコッタイ こんなところで金を使うゆとりは無いが、仕方が無いので走る。
明石サービスエリア上りに到着。こんなところまで来たのかという感動があった。ともかくお腹空いた。何か食べよう。
どーん
本場の明石焼きを食べる事を勧められたが、生憎見つけることが出来ず「帰りに兵庫県は通らざるを得んし、その時食べるかー」と考えていたが、帰りも食べ損ねて非常に悔しい。
こちらはタコ飯蒸籠。580円だった。久々にタコを食べることが出来て喜んだ。私が今いるところは福岡県の糸島市というところで、「海産物安いし美味しいのいつでも食べてるんじゃないの?」と言われることが多いが、納豆とレトルトカレーのコスパに敵う飯はそうそう無いのだ。たかがタコとは思わなくもないがとにかくタコ( ゚Д゚)ウマー。明石にきた証拠を一枚。
神戸市
玉津で有料道路を降りる。洒落乙な街、神戸を拝まずにはいられなかった。明石焼きを食べに神戸へ。玉津を少し北上し神戸市内へ向かったので山側から海沿いを見下ろすわけだが、あれだ、住みてえ。
南京町
深夜の商店街を躊躇なく進行。
たまに通り過ぎる人に不審がられるが気にしてはダメだ。
中学の時の修学旅行ぶりに来たが、記憶と違いない中華街。
日付が変わっているというのに通行人はちらほらいた。単車は先の写真のところに放置して少し歩き回って写真を撮った。既に意識が遠のきつつあって、目立つものしか撮れなかった。エンジンを駆けずに手で押して商店街や中華街を回る程度の理性はあったが、お陰でここを去る時の記憶が曖昧。腹ごしらえをしようと思って深夜まで営業しているお店を探したが、閉まっていて頭を抱えた記憶はある。
菊兆に行ったんだけど閉まってたんだ。次は必ず食べる。
交番
コンタクトがズレ始めてから1時間後、不味いと思い慌てて高架下のコンビニに避難。もうダメだった。動けない。足が痛い。手も痺れている。寝る場所が見つからない。どうしようかと考えていると隣に交番を見つける。行くしかない。
「こんばんは。どっか野宿、寝れるところないすか」
第一声がそれ。交番の中から3人ほどぞろぞろ出てきた。交番目の前のパーキングも考えたが「そんな金は無い」と伝え苦笑いされる。地図を出してもらいどこが寝れそうか尋ねる。もうそんなに距離は走れない。どこか近くの公園等を教えてくれと頼むと、公園は酔っ払いが多く危険だから海沿いの釣り公園周辺が一番いいとオススメされたので行くことに。AM 2:30。助かった。やっと床に就ける。
武庫川沿いのコンクリ
10分ほど走り海辺へ。しかしどこもイマイチ一目に付きやすい場所だったのでその周辺をまた10分は走る。釣り人が多いし談笑しているアベックもいた。AM 3:00。諦めてここて寝ることにした。限界だった。
残った体力を振り絞り歯磨きをする。たまに車が通り過ぎるがこれだけ疲れていたらどこでも寝れる。通報されても交番の兄ちゃんの名前だしときゃ通じるだろと思い、コンクリの上に寝転がる。星が見えるほど綺麗な空気では無いようだ。深めにニット帽を被り、荷物を枕に目を閉じてそのまま気を失った。